=夏は夜= 日本文学って、けっこうすごいのね~
2011年 07月 16日
夏がこんなにも暑くなってしまって、熱中症とか、異常気象とか、好ましからずニュースが、いつもいつもテレビで流れるようになりました。
私の夏も、夏休みがロングバケーションではなく、帰省するだけの、ほんの行事になってしまってもう20年。
思い返せば、せみのつんざくような鳴き声を、軒下の縁側で、寝転がって聞きながら、夏休みが退屈だと思った少女の頃の夏は、なんと、幸福なひとときだったことでしょう。
今から始まる、人生の序章とでもいうべき静けさの中にいたのかもしれません。
そんな幸福なひと時をくれたのは、まぎれもなく、平和な日本に生まれたラッキーと、当たり前と思っていた両親の愛のおかげだったのは、間違いありません。
今、夏は、私にまったく違った景色をもたらし、秋に予定している自分の仕事のスケジュールの準備のシーズン、くらいの立場に成り下がり、熱中症や異常気象の方が、しっくりくるようなおもむきなのが少し悲しくなりました。
「夏は夜」とのたまったのは、「枕草紙」を書いた清少納言。
「夏はよる 月のころはさらなり 闇も、ほたるの細く、とびちがひたる また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りてゆくもをかし 雨などのふるさへ、をかし --」
熱帯夜なんて、この頃にはなかったのかしら、と感じてしまう清涼感。夜になって、庭に出て、月を見れば満月。一日の喧騒が静まり返って、10時近くと言うのに、団地の小道を、夫婦連れでウォーキングしている人々。
明日から連休です。私の夏休みを演出してみよう。そんな気持ちになります。
清少納言は、千年も前に枕草子をしたためましたが、今もなお、ここにいる私にそんな気持ちをおこさせる。驚くべきことかもしれません。
今から千年も昔に書かれた文章が、日本文学と呼ばれる権威をもって、いまだに現代語に訳され、学者でもない私が、普通に口ずさむ。これは、世界広しといえども、そうそうどこのお国にもある話ではないそうです。最近ある本を読んで知りました。
日本にとって当たり前は、けっこう世界ではすごいことなんですよね。
日本の夏を楽しみましょう。
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by branchleaf
| 2011-07-16 17:00
| 季節、花、植物たち